「ELTRESはこんなに電波が入るのかと衝撃を受けた」Braveridge 小橋氏がELTRESを選んだ理由、1分間送信プランの可能性

ソニーネットワークコミュニケーションズ(SNC)は、ELTRES IoTネットワークサービスを活用してビジネス展開をお考えの企業向けに、ELTRESサービスの情報提供、プロモーションのご協力、パートナー企業様同士のビジネスマッチングをサポートする「パートナープログラム」を展開しています。

今回はそんな端末パートナーの1社である株式会社Braveridge(ブレイブリッジ)を紹介します。Braveridge代表取締役・小橋泰成氏に、ELTRESとの衝撃的な出合い、1分間送信プランに感じている可能性、日頃の開発作業にかける思いなどを、SNC・鈴木とELTRESの開発を担当するソニーセミコンダクタソリューションズ(SSS)の国近がうかがいました。


BLE+LPWAの波に乗り、無線通信が盛り上がると感じた

鈴木

小橋さんは福岡県のお生まれなんですよね。

小橋

はい、福岡県小郡市というところの出身です。地元の県立高校を卒業してからは、九州芸術工科大学の芸術工学部画像設計学科へ進学しました。大学卒業後の1992年に九州松下電器へ入社してからは、社内でもかなり忙しい部門として知られ、同期の間でも敬遠されていた無線課に自ら志願し、見事配属されました(笑)。

鈴木

自ら厳しい道へ進まれたんですね。小橋さんらしいエピソードです(笑)。

小橋

同課ではコードレス電話の開発などに従事しています。大学の専攻とは違うので不思議に思われる方も多いのですが、趣味で電子工作をやっていたことなどもあって自分に性に合った世界だと思いました。

鈴木

九州松下電器を退社されてから、Braveridgeを創業されます。ご経緯を教えてください。

小橋

僕には九州松下電器時代アメリカへの駐在経験があったのですが、向こうの世界を肌に触れながら日本のエンジニア組織を比較すると、まだまだ日本には課題があると感じました。
独立の背景には個人的な目標がありました。これはあくまで一般論として聞いてほしいのですが——100人の会社組織があった場合、そのうち“優秀”だと評価されるのはせいぜい5人程度です。その優秀な5%だけを集めた技術者集団を作りたい。そして優秀な彼らがきちんと報われる会社を作りたい——。そんな思いで一念発起し、2002年に九州松下電器を退社。アメリカ・シンガポールなどでBraveridgeの前身となる会社をいくつか立ち上げた後、2004年、九州情報大学ベンチャー支援センターにて正式に当社を創業しました。


無線通信に感じた明るい未来

鈴木

Braveridgeの事業内容についてご紹介ください。

小橋

無線通信技術を中心にIoT向け製品の開発・製造を行っています。特にBluetooth®︎ Low Energy(BLE)や各種LPWAなどの無線通信技術を強みにしており、IoTデバイスの企画・開発・製造をワンストップでサポート。独自のIoTサービスも開始しています。

鈴木

当社も日頃からお世話になっております。創業当初から無線通信技術に特化したベンチャーを思い描いていたのですか?

小橋

正直に申し上げると、創業当初は何をする会社にするかは決めてなかったんですよ。無線通信についても僕の頭の中にはほとんどなく、当時はいわゆる「何でも屋」として事業を続け、業績も割合堅調でした。

鈴木

無線を始めたきっかけは?

小橋

ある会報誌の広告を見ていたとき。ノルディック・セミコンダクター社からBLEのチップがリリースされると知りました。いよいよBluetoothにもRFとCPUが一体化された「SoC化」の時代が到来した、と思いましたよ。ある種予見していた面もあったのですが、デバイス・アクセサリー側がSoC化されれば、市場はワンチップの戦いになるでしょう。

ただその時点ではまだ問題がありました。当然BLEには「それ単体だけではネットワークにつながらない」という弱点がありますから。でもその後間もなくしてからLPWAという無線通信の波も同時にやって来ました。過去の経験から僕は「無線はあまりもうからない」と思っていましたが、BLEとLPWAという二つの大きな波に乗っていけば、無線通信の市場がこれから相当に盛り上がるだろうと考えるようになりました。


開発者としてELTRESを気に入った理由

鈴木

Braveridgeでは当社独自のLPWA通信規格「ELTRES」の端末パートナーとして、ELTRES IoTネットワークサービスで使用する機器・端末等も開発・製造されています。通信技術としてELTRESをご評価いただいた点はどんなところですか。

小橋

一番大きいのは、IoTに適したLPWAネットワーク を日本全国ですぐにでも活用できる点です。僕らもLPWAについて独自に研究・開発を進め、一時はLoRaWAN規格を使ったBLE対応のコンボモジュール等を開発していましたが、LoRaWANを含めた一部のLPWA規格にはネットワークインフラの“構築・運用”の面に課題が残ると感じました。

鈴木

やはり中小の開発メーカー様が運用にまで手を回すのは現実的に難しいですよね。その点、ELTRESならネットワーク構築やアンテナ設置、そして運用が不要。対応デバイスさえあれば、すぐにでもIoTをご活用いただけます。

小橋

おそらくクラウドネットワークでつながるネットワークサービスとしてはELTRESを含めた数社しか生き残らないのではないでしょうか。

鈴木

ELTRESに興味を持っていただいたきっかけは?

小橋

本社の屋上にアンテナを立てて他の920MHz系LPWAの規格を使った通信テストを進めていた当時、なかなか思うように電波が飛ばないでいました。本当に悪戦苦闘しながら「他に何か策はないものか」と情報収集をしていた最中、ある企業の方からELTRESについて聞かされたんです。最初は割合ニュートラルな気持ちだったのですが、その方が実施された実験結果を聞けば聞くほど「絶対にあり得ない」「衝撃的だ」と思いました。何しろ僕らが想定している以上に、電波が飛んでいましたから。

鈴木

それをきっかけに、自社でもELTRESを使ったテストを開始された?

小橋

はい。実際に自分たちでELTRESのテストをしてみても、本当に驚くほど電波が飛び、ELTRESは深い“浸透性”を持つ規格だと感じました。浸透性とはすなわち、障害物がたくさんあるような電波が入りにくい環境でもELTRESなら問題なく浸透していくということです。それに加えELTRESは冗長性(ある基地局で電波が取れなくても、別の基地局で電波を受け取るよう相関されていること)が確保されています。(本社のある)福岡市近辺の、かなり条件の悪い環境下でカバーエリアテストしてみても、実用距離として「12km」は飛んでいました。これもあり得ない数値です。正直なぜこんなに飛ぶのかわからないくらいなのですが(笑)。


2020年10月リリース「1分間送信プラン」の可能性

国近

私からもよいでしょうか。ELTRESでは2020年10月1日に「1分間送信プラン」をリリースしました。これにより定期送信とトリガー送信の2パターンそれぞれで、これまでの最短3分間隔よりも高頻度の「1分間隔」のデータ送信が可能となります。小橋さんは開発者として、1分間送信をどのようにご評価されていますか。

小橋

例えば車の配車サービスの事業者が配車一覧を見ようしたときのご要望・使い勝手を考えると、10〜15分に1回のデータ更新ではちょっとサイクルが長すぎます。その点ELTRESの1分間送信プランでは、1分~24時間に1回の「定期送信」、3分に1回もしくは1分に1回の「トリガー送信」をうまく組み合わせながら設定できるので、そのようなサービスには最適だと思っています。

国近

実際に1分間送信プランは「公共交通機関の遅延監視、公用車や業務車両の現在地把握、盗難追跡など、対象物の移動速度が速く、データ送信を頻繁に行うことで、正確に移動車両をトラッキングしたいケースに適している」と我々もリリースさせていただいています。

小橋

ただ1つだけ強調しておきたいのは、ELTRESを含めLPWA規格の選定は(開発者にとって)競争し合うような関係ではなく“適材適所”の関係性だということです。最近は展示会のLPWAセミナーなどでもお話させていただく機会をいただき、そのたびにも申し上げるのですが、これからのLPWA規格の代表格はELTRES、sigfox、LTE-Mの3つだと個人的には考えています。僕自身もELTRESだけをひいきにしているのではなく、3つの規格の特性をつかみながら適材適所の開発を行っています。

例えば「10〜15分に1回程度の通信」が可能なLPWA規格は、運用費用が比較的抑えられたりします。すると僕らは開発者として「10〜15分に1回程度の通信に適した用途であれば、格安にLPWAを使える」と、それを利点として考えます。だから「1分間送信」だけが優れているわけではなく、あくまで適材適所の開発が必要だということです。

国近

開発者としていずれかが「特別抜きん出て優れている」という視点では見ておらず、開発モジュールの特性に応じた使い分けが肝心である、ということですね。

小橋

はい。ただELTRESならば、今日申し上げてきたような「構築不要」「長距離通信可能」「浸透性・冗長性が高い」といった特徴を持つ通信プラットホームをベースにしながら、3分間ごと・1分間ごとのデータ送信を使い分けられます。1分間ごとのデータ送信が可能になることで、どんな社会的ニーズにお応えできるのか——。「時間の制約がなくなる」ことで開発の幅は確実に広がりますから、これからは僕ら開発者・設計者の腕の見せどころだと思っています。

鈴木

実際にBraveridgeでは1分間送信プランもご活用した「ELTRES-GPSトラッカー」も開発中ですよね。どのような製品なのでしょうか。

小橋

GPS、GLONASS、QZSS、3軸加速度センサーを備え、非爆発型Li-Po電池を採用したトラッカーで、位置情報・外部IFセンサー情報などを送信します。詳しいことはまだ申し上げられませんが、ご利用シーンは児童や高齢者の見守り、自転車の位置管理・盗難防止、車両監視などを想定しています。

鈴木

本日は貴重なお話、どうもありがとうございました。


(株式会社Braveridge(https://www.braveridge.com/))代表取締役・小橋泰成


最後に

ELTRESは安定通信・長距離伝送・低消費電力・高速移動体対応・GNSS標準搭載の特長を生かして様々な業界でご活用いただいております。

【活用例】
・物流:移動車輛の監視
・環境モニタリング:溜池の水位監視
・インフラ監視:街路灯の電力監視と設置位置管理
・農業・畜産:放牧牛のトラッキング
・人の安全みまもり:CO2センサで「3密」を検知
・スポーツトラッキング:アドベンチャーレースでのトラッキング
・IoTプラットフォーム:温湿度、不快指数、安全管理、物流管理、獣害被害対策、見守り等

「興味がある」から「実際に活用方法を検討している」までどの段階でも構いません、お客様のご希望に合わせてお話しさせていただきます。
まずはお問い合わせください。

お問い合わせ

お問い合わせ内容によっては、ご回答までにお時間をいただくことがございます。
何とぞご了承ください。