データ活用で売上2倍! IoTで拓くスマート農業の未来

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ELTRESは､センサーを用いた農作業の効率化･省人化を目指しています｡
秋田県横手市で「あきたこまち」をはじめとした美味しいお米と､ハウス栽培の椎茸など農産物の生産･販売を営む農事組合法人みずほ 熊谷代表に､ELTRES IoTネットワークを使用してセンサーデータをクラウドへ送信する製品を活用した農産物の生産取り組みについてお話しを伺いました｡

ELTRES IoTネットワーク回線を活用した環境センサーとは、ハウス内の温湿度、CO2などのセンサーデータをクラウドへ送信する端末です｡

豪雪地帯で実現した､安定収入と高品質な椎茸栽培

弊社は秋田県横手市で農産物を生産しています｡
秋田県は豊富な森林資源に恵まれているため､椎茸栽培に適した環境があり、特に横手市は県内でも有数の椎茸産地と知られており､肉厚で香り豊かなことが特徴です｡
弊社は秋田県の土壌と気候を活用した露地作物の生産に力を入れています｡
「あきたこまち」をはじめとした高品質なお米の生産や､全国生産量トップクラスの「えだまめ」の生産によって､高い評価を得ています｡
また､横手市は日本でも有数の豪雪地帯として知られています｡
この厳しい冬季間中でも農業を継続し､安定した収入を得るために､通年生産が可能で売上の安定に寄与する椎茸のハウス栽培に注力しています｡
しかし､スマート農業を活用する以前は､生産量､品質のバラつきが大きく､経験や勘に依存した作業を行っていました｡
そこで､問題を解決するための手段として､温度･湿度･二酸化炭素などの環境データを可視化し､生産量や品質の均一化を図る策として､IoTセンサーの導入を行うことを決定しました｡

データ分析が導き出す最適な栽培方法､経験と勘に頼らない精緻な農業経営

生産現場にIoTセンサーを導入した結果、温度、湿度、二酸化炭素などの環境データをリアルタイムで把握し、その情報を活用することが可能になりました。
これにより、担当者･非担当者も端末から現場の状況を素早く正確に把握し、必要な情報を得ることができます。
さらに､取得したデータから通常と異なる数値が検出された際など､設備の不具合や生育環境、ハウス内の変化といった問題を早期に発見することが可能となりました。
導入以前は､「雪が降ってきたから温度を上げる」といったアナログ感覚で行い､実際にハウスまで足を運んでハウスの温度を確認していました｡
しかし､ELTRES IoTネットワーク回線を活用した環境センサーを導入してからは､担当者が出勤前や自宅に戻ったあとでも､データを確認して､気候の変更に合わせて事前に温度調整などが行えるようになりました｡
データに基づいて行動を起こすことで､問題が深刻化する前に適切な対応をとることができるようになり､大きな損失を防ぐ役割を果たしています。

また、データ活用をすることで生産量や収穫時期の予測が出来るようになったので､より効率的な生産計画の策定を可能にし、業績向上に寄与しています。
具体的にはELTRES IoTネットワーク回線を活用した環境センサーの導入とデータ取得で栽培を始めたところ、約３年で売上が約2倍に成長するという数字による明確な結果も得られました。
これは、テクノロジーの進歩とデータ分析の力が生産性の向上･品質の担保にどれほど貢献できるかを示していると私たちは考えます｡

データで拓く､最適な人員配置 残業時間削減と従業員負担軽減を同時に実現

センサーによるデータ活用は､生産性向上や品質担保において効果を発揮していますが､労務管理への応用でもその効果が顕著に表れています｡
データ活用以前はたとえば「その日にどれくらい収穫ができるか」といった収穫数の予測が曖昧だったため､人員配置のミスを起こしているケースもありました｡
これまで疎かにされてきたデータの蓄積により気温や湿度の変化から作業量の変動を予測することができるようになり､適切な人員配置を通じて残業時間の削減や従業員の負担を軽減するといった組織全体にとって非常に重要な結果をもたらしました｡
例えば収穫量が多い時期はアルバイト募集を行い､従業員に負荷をかけずに業務を行うといったケースや､椎茸栽培のハウスを増設するといった意思決定をする際にもひとつのハウスで必要になる人員配置･費用･売上等がある程度見込めるので､従業員を何人採用すればいいか?といった労務管理もある程度は予測ができます｡
農業における人手不足の原因には､仕事量の不安定さが関係していると私は考えます｡
これまでは一年を通じて安定した作業量があるわけではなく､限られた時期に多くの労働力が必要とされていました｡
しかし､データ活用をすることで作業が効率化し作業量が可視化されることで､新しい作物や事業へ挑戦することもできると思います｡
弊社では､あきたこまちに合うおかずとして「一寸椎茸のうま煮」をインターネットを通じて全国へ販売しています｡
これまで持て余していた空いた時間から事業の柱を増やすことで今後は新たな雇用を生み出し､地域にも貢献していきたいと考えています｡

次のステップはAI活用

地域一丸で取り組む､信頼と力の産地づくり

現在はセンサーを通じて取得したデータを様々な場面で活用していますが､今後は蓄積してきたデータをもとにAIへ学習をさせ､自動で生産計画や作業シフトの最適化を行うことを目指しています｡
冒頭で述べたとおり､農家の多くは経験と勘で農作物を生産しています｡
「経験と勘」の部分をAIに任せ､私たち人間はAIが予測した結果をもとに意思決定や意見交換を行う｡
つまり､AIと人間の「得意なこと･不得意なこと」を整理し役割を決めることで､事業の海図を作っていく｡
そうすることで､初めてデータを活用したビジネスが成立すると思っています｡
私たちは、データを活用した農業への取り組みを率先して取り組みを行うことが重要であると同時に､具体的な成果を出し、その結果を通じて地域全体にスマート農業の取り組みを普及させることが大切だと感じています。
しかし、これまでデータに触れる機会がなかった農家も多く、そのため、新たな取り組みの普及には時間がかかると予想しています。
そこで、我々の目指すところは、まずはスマート農業への取り組みが始めやすい環境を作ることです。
そして、その取り組みが少しずつ広がり、波紋のように地域全体へと広がっていくことを願っています｡

JA秋田ふるさと 鈴木様コメント

これまでは個々の農家が独自に栽培データを管理していたため、地域全体の農作物の品質や生産量を把握することが難しく、販売価格の交渉力が弱まっていました。
そこで、JAが中心となって地域全体でデータを共有することで、ブランド価値の向上､販売価格の交渉力向上､持続可能な農業を実現し､「質」と「量」を武器に､横手産椎茸の価値をより高めていきます｡
さらに、ドライバー不足による首都圏への物流の効率化へも対策しなければなりません。
データ活用によって日々どれほどの出荷量があるか予測することで、この課題の解決も期待できます。

ソニーのコメント

ELTRESネットワーク回線を活用したクラウド型データロガーを採用した農事組合法人みずほ様のインタビューから 以下のお声をいただきました｡

• 就農者の高齢化、離農者の増加の中、農業の法人化が進み、その規模も拡大しており、より効率的な取り組みが必要になっている｡
• ハウス内のデータを蓄積することで生産効率が向上した｡
• ハウス内の暖房機器故障への対応、機器の状態を迅速に修理業者へ伝えることができ、修理期間を短縮することに役立った
• リアルタイムにデータが把握できるため､トラブル への対応が早くなった｡

JA様からのインタビューから以下のお声を頂きました 。

• 取得したデータを地域へ共有することで､地域ブランドへの愛着､誇りを育むきっかけになる｡

ソニーは今後もELTRESネットワーク回線を通じて農業での生産効率化、就農者不足に対応するソリューションの提供、貢献を続けて参ります。

今回のクラウド型データロガーはELTRESを使用してセンサーデータをクラウドに送信する製品です｡
ソーラーパネル､蓄電池､防水ケースを一体化し､測定からクラウドへのデータ送信まで､本機のみで行うことが可能なため､農業関連の測定やインフラ監視など幅広い用途に活用いただけます｡
こちらのクラウド型データロガーは､ELTRESパートナー企業であるスマートロジック株式会社から提供されています｡

最後に

ELTRESは安定通信・長距離伝送・低消費電力・高速移動体対応・GNSS標準搭載の特長を生かして様々な業界でご活用いただいております。

【活用例】
・物流：移動車輛の監視
・環境モニタリング：溜池の水位監視
・インフラ監視：街路灯の電力監視と設置位置管理
・農業・畜産：放牧牛のトラッキング
・人の安全みまもり：CO2センサで「3密」を検知
・スポーツトラッキング：アドベンチャーレースでのトラッキング
・IoTプラットフォーム：温湿度、不快指数、安全管理、物流管理、獣害被害対策、見守り等

「興味がある」から「実際に活用方法を検討している」までどの段階でも構いません、お客様のご希望に合わせてお話しさせていただきます。
まずはお問い合わせください。