社会課題の解決力を磨くために!AI・IoT教材を活用する文系大学の事例

近年、数理・データサイエンス・AI教育が重要性を増す中、ソニーのELTRES IoTネットワークは、教育機関における実践的な学びを支える基盤技術として広がりを見せています。

ELTRESのパートナー企業である株式会社クレスコは、高等教育機関に対して「動かして学ぶIoTとAI」(以下、CLIP学習教材)という画期的な学習教材を提供しています。

CLIP 学習教材「動かして学ぶ IoTとAI」

この教材は、IoT・AI・クラウド・データ通信を包括的に学べる教育コンテンツと学習機材がワンセットで構成されており、教師に対しては教育プランの作成に伴う負担を軽減して、学生に対しては機材を一人ひとりが利用することで主体的な学習を促進します。また、文系の学生が抱いている「IoTやAIの技術が社会でどのように使われているか」、「IoTやAIの技術によって社会が今後どこに向かうのか」といった興味に答え、専門的な知識にも触れて、文系の学生が本来持つ社会課題の解決力に磨きをかけることを目指しています。

中部圏唯一の外国語大学でありながら語学教育だけでなく、人・地域・世界について幅広く学ぶリベラルアーツ教育を提供している名古屋外国語大学 現代国際学部 国際教養学科の 山本教授から、CLIP学習教材の導入効果などについてお話を伺いました。

山本教授
山本教授

なぜ貴学の学生にIoTやAIを教える必要があるのかを教えてください

これからの社会にはIoT やAIの技術は必要不可欠で、これらの技術は社会全体を前進させる原動力となるでしょう。
これからの社会で求められる人材を考えたとき、文系・理系に関係なく、これら技術を用いて社会課題を解決できることが重要で、学生にはまずその視点を持ってもらいたいと考えています。
本校は一定水準の外国語学のレベルを学生に身につけさせることが強みです。我々教員は学生をグローバルに活躍できる人材に育てていますが、さらに本校の学生にIoT やAIの知識を持たせ、元々持っている社会課題への関心と掛け合わせることで、日本や世界をより良く変えていく人材が育つと考えています。
そのような人材を育てるために、本校の学生に対してはIoTやAIへの興味・関心を広げるための環境を提供していかなければなりません。

山本教授

貴学の学生にIoTやAIを教える上での課題を教えてください

IoTやAI技術に対して、我々教員が思っている以上に学生は興味を持っています。その一方で、それら技術に対して、学生が文系特有の抵抗感と苦手意識を抱いていることも事実です。

学生たちが興味を抱いているのは、「IoTやAI技術の原理」ではなく、「IoTやAIの技術が社会でどのように使われているか」、「IoTやAIの技術によって社会が今後どこに向かうのか」だと思います。しかし、それら興味を満足させられるカリキュラムはなく、そのような教材も存在しませんでした。

学生には、IoTやAI技術が社会でどのように利用されているのかを実践を通して理解してもらい、興味が深まったところでその原理について知ってもらうことが必要です。理系のアプローチとは異なる方法で、それら技術を学ばせたいと考えていました。

学ぶ学生

CLIP学習教材を使用して、学生の興味・関心を高められるかを教えてください

CLIP学習教材は、「IoTやAIの技術が社会でどのように使われているか」を体感できる教材として、学生の学習意欲を効果的に引き出してくれていると感じます。

初回授業では教材に含まれる機材やプログラムを使って、以下の3つの動きを体感しました。

 ① IoTデバイス(SPRESENSE)にGPS位置情報を受信させて、クラウドに送信するプログラムを書き込む

 ② IoTデバイスを起動して、受信したGPS位置情報をETLTRES通信でクラウドに送る

 ③ クラウド上にあるIoTプラットフォームで、送られたGPS位置情報が地図上にあることを確認する

大半の学生は機材やプログラムに触れること自体が初めてで、恐る恐る機材を扱っている様子でした。しかし、SPRESENSEがプログラムの動き通りにGPS位置情報を取得して、SPRESENSE のLEDランプがプログラムの動き通りに点灯して、クラウド上のIoTプラットフォームでGPS位置情報を表示できた時には、学生たちが声を上げて喜びを表現している様子になり、その光景がとても印象的でした。

学生が元々持っていた「IoTやAIの技術が社会でどのように使われているか」という興味・関心に応えられ、さらに学生自らで「IoTやAIの技術の原理」を深掘りするきっかけを与えられていると感じます。

学ぶ学生

CLIP学習教材の今後の可能性ついて教えてください

文系の学生が抱いている「IoTやAIの技術が社会でどのように使われているか」という興味に、CLIP学習教材はしっかりと応えられると感じました。今回は4年生のゼミナールへの導入でしたが、これならもう少し早い段階からCLIP学習教材を使用することが有効と感じています。
例えば1年間は、IoTやAIの技術への学生の興味に応える形で、基礎的な仕組みや活用事例に触れる実習期間として、もう1年間は実習で得られた知識を利用した社会実装への研究期間とすれば、社会課題の解決力をより高められると思います。
本学は愛知県日進市との協働連携事業も行っています。行政との交流を通して地域課題への関心を深めて、地域課題の解決とAI活用を絡めた研究への取組みにも繋げられればと考えます。

学ぶ学生

名古屋外国語大学について教えてください

中部地方唯一の外国語大学である名古屋外国語大学(NUFS)は、国際社会で活躍できる人材育成を目標に、実践的な語学教育、多様な留学プログラム、活発な異文化交流などを特徴としています。
多くの外国人教員や世界各国からの留学生が在籍し、国際色豊かなキャンパス環境で異文化理解を深めることができる「世界とつながる」大学です。
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