飛騨高山から世界へ、スマート農業で叶える高品質な米作りと地域への思い

ELTRESは、センサーを用いた農作業の効率化・省人化を目指しています。

 今回は、「第25回 米・食味分析鑑定コンクール国際大会」で金賞を受賞した、岐阜県高山市で米農家を営む岩島精米所の岩島様に、ELTRES IoTネットワーク回線を利用した株式会社パスカルの営農支援システム「アグレンジャー」の温度湿度センサーと水田水位センサーを用いたスマート農業への取り組みについてお話しを伺いました。

取材にご協力いただいた皆様・左から3人目が岩島様

飛騨高山の環境が生み出す、美味しいお米

私は「飛騨高山おいしいお米プロジェクト」のメンバーとして、「日本一美味しいお米づくり」を目指し、岐阜県高山市 飛騨高山でお米作りを行っています。

日本の米作りにおいて、環境と気候は大変重要で、その中でも気温の変動は特に大きな影響を及ぼします。 気温上昇は特に過去15〜20年の間に顕著で、稲作にとって重要な気候変動の一つです。

また、飛騨地方の気候は冷涼で、冬季は積雪が多く、これが地元の農業に独特の特徴をもたらしています。 標高400~900メートルが主な農業産地として活用されている高山市の年平均気温は10℃前後、日中と夜間の温度差は年間を通じて約10℃と大きいです。 また、飛騨高山は昼夜の寒暖差が大きいだけでなく北アルプスの雪解け水に恵まれており、ミネラル分を豊富に含んだ良質な水で栽培できることが特徴です。 これらの特徴によって、飛騨高山で作られるお米は他の地域とは異なり、甘みと粘りのある美味しいものに育ちます。

岩島様精米所の育苗の様子

高精度センサーが支える安心・安全な高品質米

私たちの地域は、品質が他県に劣らないように米作りの美味しさを追求しており、私が代表を務める「飛騨高山おいしいお米プロジェクト」では、有志のメンバーで岐阜県が公開する農作物に関するデータや自分たちの圃場で得たデータを見せ合い、話し合いながら高みを目指しています。

このようなネットワークもあり、飛騨高山で獲れたお米はこれまでもコンクールで数々の賞を受賞しています。私も「第25回 米・食味分析鑑定コンクール国際大会」にて金賞をいただくことが出来ました。

私の農場では圃場の管理と生産記録のデータ化、専用機器による水管理の自動化、AI予測による天気や風向きをもとにした農作業などのスマート農業に取り組んでいます。

美味しいお米を作るためには温度や湿度が大きく影響するのですが、私が以前に活用していた気象情報は、地域全体の気象状況を捉えたデータであるため、実際に圃場へ行くと情報とは少し異なることがありました。

しかし、ELTRES IoTネットワーク回線を活用したアグレンジャーの温度湿度センサーは圃場に直接設置することができるため、正確な気温や湿度の情報が得られ、適切な農作業の判断に役立ちました。

また、センサーはリスク管理の助けにもなっています。

具体的には、病害虫の予測に非常に有効で、特にいもち病の発生リスクが高い時期や豪雨による水没被害のリスクを事前に把握することができます。

たとえ圃場から離れた場所にいても、センサーの通知内容によってはすぐに駆けつけることができますし、危険が予測される場所に対して的確な見回りを行うことができるので、事前にリスクを特定し対策することで、経済的損失を最小限に抑えることができます。 その他にも、私の圃場では、朝方に霜の降るような寒い時にあえて苗を外気に触れさせることで甘みを引き出すスパルタな育成方法をしています。これまでは「明日は冷えそうだ」と勘で行っていたのですが、今ではELTRES IoTネットワーク回線を活用したアグレンジャーの温度センサーによって温度を監視しながら育苗することができています。

食卓を守る、未来へ繋ぐ持続可能な米作り

お米は私たちの生活に深く根ざした食料であり、日々の食事の根幹を成すだけでなく、緊急時の食糧供給としても必要不可欠な存在です。

さらに、水田は単にお米を育てるだけではなく、一時的に雨水を貯留するという重要な機能を果たし、洪水や土砂崩れなどの自然災害に対するリスクを軽減する役割を果たしています。

これらの災害は時に育ててきた作物も全てだめにしてしまうこともありますので、ELTRES IoTネットワーク回線を活用したセンサーによって悪天候による農作物の壊滅というプレッシャーは軽減されています。

このように、私たちの生活を支えると同時に地域の安全を守るお米と水田の存在は、私たちにとって非常に大切です。

何より金賞受賞の際に他の農家の方も自分のことのように喜んでもらえたのは、この地域の強みです。しかしながら、現状では農家の減少と高齢化によって圃場の集積化が進み、一人が担う作業が多くなってきています。

ELTRES IoTネットワーク回線を活用したセンサーは作業を軽減するアイテムとして役に立ちましたし、私がどのように利用していけばよいか見えてきたものもあります。

私自身、水田と日本のお米の存在を守りたいという強い意志を持っています。 そのために、飛騨高山の農家が長年にわたり培ってきたお米作りの技術と、最新のスマート農業の技術を組み合わせることで、高齢化や過疎化が進む地域でも持続可能な米作りを実現したいと考えています。 これにより、私たちの食卓を支えるお米の安定供給を確保し、同時に地域、日本の自然環境を守ることができると信じています。

水田水位センサーと温湿度センサー

株式会社パスカル様からのコメント

この度は金賞受賞、誠におめでとうございます。育苗期におけるご尽力を拝見していた私たちは、今回の受賞を心から嬉しく思い、少しでもお手伝いできたことを大変光栄に感じています。今後も美味しいお米作りを応援させていただきます。

パスカルの営農支援システム「アグレンジャー」は、圃場にセンサーを設置することで環境情報を自動で計測し、クラウドに保存します。データを収集・分析することで、病害虫の予測や最適な農作業の判断が可能となり、高品質な栽培を実現します。今後も「アグレンジャー」を通じて、皆様の農業活動を支援してまいります。

ご興味のある方はぜひ下記URLよりお問い合わせ下さい。

【アグレンジャーHP】http://www.agranger.farm/

ELTRESからのコメント

岩島様 金賞受賞おめでとうございます!

ELTRESネットワーク回線を活用した温湿度センサー、水田水位センサーを活用した岩島精米所 岩島様から以下のお声をいただきました。

・設置場所からリアルタイムにデータ取得が行えることで実現する、状況に応じた適切な農作業の判断
・病害虫や豪雨、台風による圃場の水没被害を最小限に留める経済的損失の抑制
・高品質なお米を作るために地域一丸となったデータ活用を推進しており、ELTRESネットワーク回線を活用したセンサーは一役を担っている
・伝統的な技術とスマート農業を融合することで生まれる、持続可能な米作りへの取り組み

今回の温湿度センサー、水田水位センサーはELTRESの低消費電力により数か月電池駆動ができ、安定した通信網により他の機械を介さずに直接インターネットに接続が可能です。
設置すればすぐに温度、湿度、水位の監視を開始できます。
シンプルなセンサーの採用により安価なご提供価格の設定も魅力です。

【活用例】
・物流:移動車輛の監視
・環境モニタリング:溜池の水位監視
・インフラ監視:街路灯の電力監視と設置位置管理
・農業・畜産:放牧牛のトラッキング
・人の安全みまもり:CO2センサで「3密」を検知
・スポーツトラッキング:アドベンチャーレースでのトラッキング
・IoTプラットフォーム:温湿度、不快指数、安全管理、物流管理、獣害被害対策、見守り等

「興味がある」から「実際に活用方法を検討している」までどの段階でも構いません、お客様のご希望に合わせてお話しさせていただきます。 まずはお問い合わせください。

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