「IoTで地域に貢献」

2021年7月28日から30日までの3日間、ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社はオンラインイベント『ELTRES Days』を開催しました。2日目のテーマ「IoTで地域に貢献」では、地域密着型の課題に対する各社ソリューションと、ELTRESの通信技術が紹介されました。当日の模様をダイジェストでご紹介します。

目次


NECネッツエスアイ「 Symphonict プラットフォーム」

NECネッツエスアイ株式会社(https://www.nesic.co.jp/)は1953年に通信インフラの設置工事を行う会社として設立され、現在はコミュニケーション・システムインテグレーターとして、幅広い情報通信システムをSIから施工・サービスまで一貫して提供しています。

同社はデジタル/クラウドシフトが急速に進展する中、お客様の経営課題や社会の課題に対応するため、「共創でお客様のビジネスに新たな価値を提供する」を基本コンセプトに、これを体現するデジタル・トランスフォーメーション(以下、DX)事業の新ブランド「Symphonict(シンフォニクト」を立ち上げました。そして、新たなコト創出に必要な共通的な基盤をプラットフォームとしてご提供すべく「Symphonictプラットフォーム」を開発しました。

Symphonictプラットフォームは、個別に管理していたデータを、さまざまなサービスやインフラ、先端技術を活用し、統合的に管理・分析を行うことが可能になるプラットフォームサービスです。LPWA通信には長距離安定通信・高速移動通信・低消費電力を特長とするELTRESが活用されています。

Symphonictプラットフォームは、フルクローズド高セキュリティ、マルチコネクティビティ対応、マルチサービスAPI一元提供、クラウド、サブスクリプションモデルでのサービス提供といった特徴があります。

また、同社はIoT・ELTRESに関するパートナーサポートも対応しています。

詳しくはこちらのウェビナー動画をご覧ください。


インターアーク「 アークモニタリングシステム(AMS)」

株式会社インターアーク(http://www.interark.co.jp/)は、IoTを軸としてハードウェアからアプリケーション開発まで一括したソリューションを提供しています。

同社では環境監視システム「アークモニタリングシステム(AMS)」を開発し、雨量・水位などの環境センサーの状態監視データをELTRESによりクラウドに転送することで、視認性の高いグラフ表示およびアラートメールを担当部署に送信し、担当者による地域住民への影響の把握や災害危険時における迅速な判断を可能としました。

遠隔地の環境監視には本来基地局の設置費用や受信局のカバー範囲が狭く、自治体が導入するには負担が大きいと言う認識が一般的でした。また、モバイル回線では電波が安定しない問題がありました。しかし、伝送容量が少量で低消費電力、長距離伝送が可能なELTRESを導入することで、安価で容易に遠隔地まで接続できるようになり、全体構築も可能となりました。詳しくはこちらのウェビナー動画をご覧ください。


射水ケーブルネットワークの自治体向けELTRES活用事例

富山県射水市に拠点を置くケーブルテレビ局である射水ケーブルネットワーク株式会社(https://www.canet.ne.jp/)は、ELTRESを活用し、雨量・水位・冠水の監視、積雪深観測、除雪車運行履歴、消雪装置の稼働監視などを目的としたソリューションを自治体向けに提供しています。同社は既存事業が成熟期に入っているため新事業の創出と、第3セクターとしての地域貢献のために、IoT技術を活用したスマートシティ化への支援に取り組むようになった背景があります。

同社は2019年12月から射水市において積雪計測、消雪装置監視、除雪車位置情報、排水路の水位・雨量計測、排水路/ため池の堆積物監視などの実証実験を行い、そのとき射水市役所屋上に設置されたELTRES通信基地局が使われました。

同社には以前から課題として「通信」にかかるコストの問題がありましたが、ELTRESは長距離・高感度・移動体対応で、ゲートウェイが不要であり、基地局設置にかかる場所選定、使用許可の獲得など面倒な交渉・手続きも必要なかったことから、導入を決めたそうです。

今後は子育て・漁業、農業、福祉、児童見守りといった領域にもIoTを拡張していきたいと考えており、新たな実証実験を進めているそうです。詳しくはこちらのウェビナー動画をご覧ください。


Innovation Farmの端末活用事例

ハードウェアからクラウドまでIoT化をワンストップでサポート可能なInnovation Farm株式会社(https://www.inn-farm.co.jp/index.html)。同社が提供している「Inobox S Type-E」は、ELTRESのアンテナ内蔵の汎用接点入力搭載の端末です。1台から購入可能で、市販のセンサーやスイッチなどと連携することで、さまざまな用途に活用できます。

Inobox S Type-Eはセンサーを搭載していませんが、市販のセンサーやスイッチと連携することでさまざまな用途に活用可能です。

また、Innovation Farm開発のWanaFarmサーバを活用できるため、初期の開発コストを抑えることができます。これまで罠や檻の監視などの害獣対策のIoT化、感震・転倒・傾斜といったセンサーを斜面や崖に設置することによる災害検知などに活用されてきました。

また、同社はIoTセンサーデバイスの試作・量産からデータ活用ソフトウェアまで、一気通貫したサービス「IoT Farm」を提供しています。これはIoTビジネスの構築と運営に必要な製品・サービス群をオールインワン・サポートで提供する統合型プラットフォームサービスであり、ニーズに応じてカスタマイズすることで、短期間での納品を可能にしたサービスです。詳しくはこちらのウェビナー動画をご覧ください。


インテック「IoTプラットフォーム」

富山県に本社をおく株式会社インテック(https://www.intec.co.jp/)は、ICT技術の研究・開発からアウトソーシングまでの一貫した「ビジネス領域」をトータルソリューションとして提供しています。

インテックは“都市OS”と呼ばれているOSS(オープンソースソフトウェア)「FIWARE(ファイウェア)」を活用したセンサー情報を収集・分析・可視化する「IoTプラットフォーム」を開発しました。その無線通信にELTRESを採用したことで、IoT環境の短期間導入とエリアを限定せずに全国での利用が可能になりました。

同社の「IoTプラットフォーム」を活用することで水位監視、除雪業務可視化、獣害対策など、自治体が抱えるさまざまな地域課題への対応が可能です。現在、自治体とさまざまな実証実験を進めています。

同社開発のIoTプラットフォームでは、他の分野・団体が保有するオープンデータとの横断的な組み合わせや相互利用をすることでデータの価値を見出す運用を想定しています。それによりスマートシティ実現に向けて、SDGsに示される社会課題の解決や、Society5.0(テクノロジーによる社会課題解決)が可能になることも期待できます。詳しくはこちらのウェビナー動画をご覧ください。


ライズナー「ELTRES™ Megaシールド for Arduino Mega2560」

株式会社ライズナー(https://www.risner.jp/)は、アプリやデバイス、通信など、さまざまなソリューションを提供してきました。今回、ELTRESを活用することで、プログラムによって電子回路を自由に操作する「ELTRES™ Megaシールド for Arduino Mega2560」を開発しました。マイコンボードに加速度センサー、温湿度センサー、光センサー、圧力センサーを搭載することで、各種センサーから得たデータをクラウドにアップすることが可能になったのです。

さらに、Webアプリ「PNPS」でIoTのデータのスムーズな可視化が可能になりました。IoTデバイスの接続は1時間以内に完了可能で、手軽にデータ共有できるようになります。また、閾値(しきいち)管理、自動グラフ化、位置マッピング等の機能も活用できます。

また、同社では、ELTRESは他の通信と比べて海に強いという特性を生かし、海の塩分濃度や酸素濃度のデータを取得して、海苔やエビの養殖に役立てようというプロジェクトを進めています。

同社では他にも環境センサーによる工場のカーテン自動開閉、顔認証による勤怠管理、移動車両の管理システムなど、ELTRESを活用することでさまざまなIoT化に取り組んでいます。詳しくはこちらのウェビナー動画をご覧ください。


マスプロ電工おすすめELTRES活用端末

マスプロ電工株式会社(https://www.maspro.co.jp/)は、テレビ受信機器、セキュリティ機器、RFID、IoTソリューション機器など、さまざまな事業に取り組んでいる日本の電気機器メーカーです。ELTRESを活用した端末も多数開発しています。今回のセミナーではおすすめの端末と現在開発中の端末について紹介がありました。

「ELCEA2-TM」は、機器の接点情報や、パルスカウント情報を送信できる通信端末で、4チャンネルの接点入力端子を搭載しています。アラームモード、接点状態取得モード、パルスカウントモードを切換え可能となっています。有害獣捕獲用檻の監視や、雨量計測、冠水監視などの活用シーンを想定しています。

「ELCEA2-R4」は、インターフェースを持つ機器と接続し、機器から取得した情報を送信できる通信端末です。1チャンネルのRS485インターフェースを搭載しており、接続機器に合わせてファームウェアのカスタマイズが必要になります。流量計、気象計などの活用シーンを想定しています。

「ELCEA2-CC」は、4~20mAの電流値を取得し、その情報を送信できる通信端末です。3チャンネルの定電流入力端子を搭載しており、定電流出力機能を搭載したさまざまな機器と接続可能です。農作業の温湿度監視や、CO₂監視などの活用シーンを想定しています。

「ELCEA2-VT」は、0~10Vの電圧を取得し、その電圧情報を送信できる通信端末です。3チャンネルの電圧入力端子を搭載しており、電圧出力機能を搭載したさまざまな機器と接続可能です。ソーラー発電の遠隔監視や傾斜センサーなどに活用されています。

水位監視には「ELCEA2-R4」と水位センサーの組み合わせがおすすめです。ELTRES通信端末に接続した水位センサーから取得した水位を送信できます。水位計はケラー社36XWシリーズに対応しています。

他にも、同社ではELTRESを活用したさまざまな端末を開発中です。詳しくはこちらのウェビナー動画をご覧ください。


CHRONOXとYDKテクノロージーズの「RYUKAN+ELTRES」

エンジニアリング事業、ソリューション事業、海外支援事業などを展開する富山県の株式会社CHRONOX(https://www.chronox.co.jp/)は、IoTを活用して、地域の課題解決となる取り組みを行っています。

同社は自治体の負担を軽減しつつ住民行政サービスを向上できる安価なシステムとして、低消費電力で広範囲のエリアをカバーしているELTRESアダプターを開発しました。ELTRESアダプターはRS485外部IFよりさまざまなデータ伝送、送信制御機能による外部機器の制御、アラーム送信が可能です。

そして、同社は中・高水流量観測という課題を解決するために、気象・水文観測機器などの開発を手掛けている株式会社YDKテクノロージーズ(https://www.ydktechs.co.jp/jp/index.html)のRYUKANとELTRESアダプターを組み合わせ、定期的な流速データの送信を行うことで、離れた箇所の水位・流速をとらえることを可能にしました。

その他に、高品質・高性能なセンサーを使用して、河川やため池、潮位など、屋外の過酷な環境で24時間/365日、正確に計測を行う「IoT多点観測システム」もご用意しております。
計測データはYDKクラウド、またはUENOクラウドに保管され、クラウド経由で機器状態の管理・監視を行うカスタマーセンターを備えており、欠測・故障時のサポート体制が整っております。

詳しくはこちらのウェビナー動画をご覧ください。


ジータの地域密着型IoT

石川県の有限会社ジータ(https://www.gita.co.jp/)は、これまで培った機械設計技術にIoTをはじめとするICTを取り入れ、スモールスタートで省人化ソリューションを可能にするという独自のアプローチで地域密着型の課題解決に取り組んでいます。

取り組んでいる課題のひとつは「降雪強度監視」です。平成30年の北陸の豪雪は道路交通面に重大な影響を及ぼし、市民生活や経済活動全般に大きな打撃となりました。そのとき、各機関の情報共有の遅れや利用者への発信をどうするかという課題があらわれました。雪の降り始めや降る雪の強さを遠隔で監視することで、融雪装置の制御、迂回路情報、除雪車の出動、SNSサービスを活用した市民への注意喚起など雪国の地域課題解決を目指しています。

同社はこの他に、遠隔でくま檻を監視するシステムについても報告。詳しくはこちらのウェビナー動画をご覧ください。


最後に

ELTRESは安定通信・長距離伝送・低消費電力・高速移動体対応・GNSS標準搭載の特長を生かして様々な業界でご活用いただいております。

【活用例】
・物流:移動車輛の監視
・環境モニタリング:溜池の水位監視
・インフラ監視:街路灯の電力監視と設置位置管理
・農業・畜産:放牧牛のトラッキング
・人の安全みまもり:CO2センサで「3密」を検知
・スポーツトラッキング:アドベンチャーレースでのトラッキング
・IoTプラットフォーム:温湿度、不快指数、安全管理、物流管理、獣害被害対策、見守り等

「興味がある」から「実際に活用方法を検討している」までどの段階でも構いません、お客様のご希望に合わせてお話しさせていただきます。
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