富山県射水市 まちのインフラ及び積雪・雨量・水位のみえる化

株式会社フィールドプロ

課題と背景 ~IoTへの取り組み・検討に至った理由

IoTのような新しい情報通信技術を活用することは、住民サービスの充実や地域経済の活性化など、人口減少や少子高齢化に伴い自治体が抱える課題の解決に大きな効果が期待されると考えます。

射水市が抱える地域課題の中で、住民サービスの向上等、行政サービスの充実を図るためには安全・安心に関わる観測システムの構築が必要ではないかと考えます。例えば、災害をもたらす恐れのある台風や豪雨などに関する観測情報は、市民の生活への影響の把握や迅速な避難行動の判断を可能にします。

これまでも携帯電話網を利用した観測データ伝送システムはありましたが、設置や保守に係る費用が高額であり、自治体単位で導入することが困難でした。

射水市は低コストで市内全域をカバーできる各種観測システムの構築を検討するため、2019年12月から積雪計測・消雪施設監視・除雪車位置情報の把握を除雪履歴の管理・ため池情報の把握と伝達・降雨量、排水路水位・流下量の観測などの実証実験を行っています。当社はこの実証実験にELTRESを使用したデータ伝送システムで参加しております。

ELTRESを選ぶ理由

携帯電話網を利用して計測データを伝送するシステムは既にありますが、消費電力が大きく、商用電源を用意するのが困難な山間部などで太陽電池パネルやバッテリーを組合せて電源を確保しようすると設備が大きくなり、設置工事に手間と費用がかかってしまいました。また携帯電話の電波が届きにくい場所では、設置を断念せざるを得ないこともありました。

ELTRESは低消費電力で通信できるため、乾電池で計測・送信することが可能で簡易なシステム構成を構築することができます。さらに100km以上の長距離通信が可能なため、携帯電話の電波が届かない山間部などでの活用が期待できます。このような理由で気象観測の分野において多面的に展開できると考えています。

実証実験の結果

富山県射水市では2019年12月から消雪装置の稼働状況と除雪個所の積雪状況の遠隔監視、5月から雨水幹線とため池の水位と雨量を遠隔監視する実証実験を行っています。

射水市内30か所の情報をいつでもどこでもパソコンで簡単にモニタリングできるシステムは便利だと感じております。なお、この実証実験は2021年3月まで続く予定です。

今後の展開について

遠隔で状況を監視できるシステムを構築することで、気象災害が発生する恐れのある場所に対して防災情報を提供し、早期に対策を立てられるようにしたいと考えています。

また、今後は気象庁の降雨データとの連携や、雨量水位観測を多面化しゲリラ豪雨時の浸水状況を迅速に把握し対応できるよう検討を進める予定です。

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