IoTで物流管理を最適化
物流業界向けELTRES活用事例ウェブセミナー
ワッティー/トライポッドワークス
〈ウェブセミナーレポート〉

ELTRESは物流領域にも展開されています。本記事では、2021年6月17日(木)にELTRESチームが主催した「IoTで物流管理を最適化 物流業界向けELTRES活用事例ウェブセミナー」の様子をレポート。ELTRESパートナー企業であるワッティー株式会社より課長代理・中村祐貴様、トライポッドワークス株式会社より代表取締役常務・菊池務様をお招きし、物流業界でのELTRES活用事例をご紹介いただきました。


物流向けELTRESブリッジを開発——ワッティー株式会社

ワッティー株式会社(https://watty.co.jp/ 本社 東京都品川区五反田)は主力事業として、温湿度や空気環境の測定、熱中症予防等を目的としたIoTワイヤレスセンサー(環境センサー)を開発・販売する、ヒーター・センサー専業メーカーです。これまで同IoT製品には無線通信技術の1つである「EnOcean通信」などが用いていましたが、このたびELTRESパートナープログラムで「EnOcean通信をELTRES通信に変換する」ブリッジを開発。物流向けソリューションへの拡大を見込み、実証実験を進めています。

「EnOcean通信は“低消費電力で高寿命”“周波数928.35MHz=回り込み特性が高く周辺機器との干渉が少ない)”などの特長を持つ通信規格です。しかし、EnOceanを使用した場合の無線通信の距離は10〜100m程度に限られていました。物流向けソリューションへの拡大にあたってはその弱点を補わなければいけませんでした。そこで“通信距離が見通し100km”のELTRES通信と組み合わせた新規ソリューションを開発。輸送トラックのIoT・物流倉庫のIoTへの適用を検討しています」(同社課長代理・中村祐貴氏)

輸送トラック・物流倉庫を想定した通信テスト

続いて、ワッティー株式会社が取り組んでいる物流向けソリューションへの拡大に向けて行われた実証実験の内容について、お話いただきました。

輸送トラックのIoTソリューション

冷蔵・冷凍車両が運ぶ食材・飲料の温度管理を見える化・遠隔監視することが、輸送トラックのIoTソリューションです。トラックの荷台に温度センサーを、運転席にブリッジを設置し、荷台の温度データを管理者へ送信します。管理側ではトラックの位置情報とともに荷台の温度をモニタリングでき、温度データを記録として残しておけば、トレーサビリティにも活用できます。

ワッティー株式会社センサ事業部は静岡県浜松市に生産拠点を置いていますが「浜名湖周辺」「静岡県→愛知県→三重県の3県横断」で行われた実証実験では、乗用車の助手席に車両内を測る温度センサー、コンソールボックス内にELTRESブリッジを設置し、走行データの送信テスト(3分間隔送信)を行いました。

高速道度(浜松西IC〜相良牧之原IC・約50km)では時速100kmの走行テストも行われましたが、いずれも通信性能に支障はなかったといいます。
出典:地理院タイル(https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html

物流倉庫内のIoTソリューション

物流倉庫内のIoTソリューションは、温度センサーで物流倉庫保管の食材・飲料の温度管理を行うことが目的です。それから、換気センサー(二酸化炭素センサー/PMセンサー)・熱中症対策のためのWBGTセンサー等を設置し、職場環境の空気の汚れ具合、二酸化炭素濃度・暑さ指数(熱中症指数)を見える化・遠隔監視するIoTソリューションでもあります。

実証実験では“金属製”コンテナ内の温度測定を行ったケースの通信テストも行われました。テストではコンテナ内に温度センサーとEnOcean端末を設置。なかで取得されたデータは無事コンテナ外のELTRESブリッジに届けられ、遠隔監視にも支障がないことが確認されました。

「我々のセンサー・IoTデバイスの導入で、輸送トラックの温度監視や物流倉庫の環境が見える化されます。今後も物流業界のIoT進展のサポートができれば幸いです」(中村氏)


車載向けIoTプラットフォーム「BLUE-Connect」——トライポッドワークス

トライポッドワークス株式会社(https://www.tripodworks.co.jp/)はもともと情報セキュリティ・映像のシステムソリューション会社でしたが、2019年、MaaSプラットフォーム事業を担う株式会社アイ・ジーを設立しました。そして両社の協業で開発・提供・導入向けコンサルティングをしているのが「BLUE-Connect(ブルーコネクト)」というIoTソリューションでした。

BLUE-Connectは、車・運転者の各種センシングデータをクラウドに集積・遠隔監視できる車載向けIoTプラットフォームで、主には車載センサーデバイス(タイヤ空気圧監視センサー「BLUE-Sensor」/車載用センサー)、クラウドサービス(BC-Cloud)、IoTゲートウェイアプリ(Andoridアプリ「BC-Gateway」)で構成されています。なお、センサーからのデータをクラウド等にアップロードするゲートウェイの一部製品には、ELTRES通信モジュールが内蔵されています。

BLUE-Connectには次のような特徴があります。
特徴1:車両管理を効率化/コスト削減
●「BLUE-Sensor」でタイヤの空気圧をリアルタイムモニタリングし、異常を検知することでバーストを未然に防ぎ、タイヤコストを削減
●ドラレコ、アルコールチェッカー、庫内簡易温度計など、トラブルを未然に防ぐデバイスを連携可能

特徴2:さまざまなデータを収集/運行管理に有用なデータを蓄積
●経度や緯度などを取得し、リアルタイムで車両の現在地や運行状況を「見える化」
●位置情報のデータを走行ルートの改善、燃費の改善のための利用も可能

特徴3:業務内容や管理方法に合わせたシステム連携
●事業者向けサービスともデータ連携が可能(API)
●バス会社、運輸業など、業界を問わない業務車両での活用が可能

「物流業では配送効率化(稼働率アップ)、運転者管理、運用コスト削減、顧客サービス向上など、さまざまな課題が山積しています。さらに近頃は、世界的・社会的にクローズアップされているSDGsが物流業にとっても他人事ではなくなってきており、“物流業でもSDGsに取り組んでいこう”といった機運がこの半年ほどで急速に高まっています。

すなわち食料品輸送中の品質管理ならばSDGsの目標2“飢餓をゼロに”、医薬品輸送中の品質管理ならば目標3の“すべての人に健康と福祉を”、配送効率化ならば目標7の“エネルギーをみんなに。そしてクリーンに“といった具合に、物流業界の課題解決がSDGsと密接に関連してきています。今後の物流業は、そうした目前の課題と真剣に向き合わなければいけません」(同社代表取締役常務・菊池務氏)

BLUE-Connectのユースケース

菊池氏は「近年の物流業における課題」を軸に、それを解決する同社IoTソリューションの効果・活用例について詳細に解説してくれました。

ケース1:配送効率化(稼働率アップ)

車載IoTプラットフォームでは、輸送トラックの車両位置・運行時間をデータとしてリアルタイムで取得できます。配送/営業部門はジオフェンス(仮想的な地理的境界線)機能、マップマッチング機能等を活用しながら、トラックの運行状態(出庫時・配送中・帰庫時)を把握。集荷依頼受付窓口や配車担当との連携で帰庫中トラックを集荷に向かわせることができ、空荷戻りが改善されます。「荷下ろし時・荷受け時などの滞留時間把握」「配送状況記録・運行日誌のデジタル管理」も、さらなる配送効率化をもたらすでしょう。

ケース2:運転者管理・安全管理

厚生労働省はトラック運転者の長時間労働改善についてルールを定め、改善基準を告示しており、管理者が運転者の労働状況を把握することがますます重要視されています。車載IoTプラットフォーム上ではDMS(ドライバー監視システム)との連携で、運転中の携帯電話使用や居眠り運転の監視、安全運転指導、さらには運転者評価・運転スコアリングも可能。データ蓄積でノウハウを見える化すれば、技術継承にも役立てられます。

ケース3:運用コストの削減

物流会社や、ロジスティクス事業社の業務として日々行われている「運行前点呼→運行→点検整備」(下図)といった業務フローは、車載IoTプラットフォームの導入によってデジタル化。データはすべてクラウドで管理されます。そうした車情報・運転者情報のデジタル化・クラウド化は、物流業務にかかる運用コスト削減にもつながっていきます。

1時間超に及んだ「物流業界向けELTRES活用事例ウェブセミナー」は、こうして幕を下ろしました。今後当社においても、ELTRESパートナープログラムの参画企業の皆様とともに、物流業界の各種課題を解決するソリューションをご提供していきたいと考えています。

(ワッティー株式会社 課長代理・中村祐貴さん、トライポッドワークス株式会社 代表取締役常務・菊池務さん)


最後に

ELTRESは安定通信・長距離伝送・低消費電力・高速移動体対応・GNSS標準搭載の特長を生かして様々な業界でご活用いただいております。

【活用例】
・物流:移動車輛の監視
・環境モニタリング:溜池の水位監視
・インフラ監視:街路灯の電力監視と設置位置管理
・農業・畜産:放牧牛のトラッキング
・人の安全みまもり:CO2センサで「3密」を検知
・スポーツトラッキング:アドベンチャーレースでのトラッキング
・IoTプラットフォーム:温湿度、不快指数、安全管理、物流管理、獣害被害対策、見守り等

「興味がある」から「実際に活用方法を検討している」までどの段階でも構いません、お客様のご希望に合わせてお話しさせていただきます。
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